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コロナウイルス通信 2023年第3週 「風向きが変わったのか」

今月も早くも後半に入ってきた週です。皆さんコロナウイルスをかわしながら過ごされているでしょうか。

今週も、終電で一週間の世界のコロナウイルスニュースを効率的に吸収できるよう、まとめていきたいと思います。



風向き


まるで何かの風向きが変わったかのように、公共衛生機関のツイッターからランセットまで、コロナウイルスワクチンに不利な情報を掲載し始めた週でした。当局の広報などでは、それでもまだブースター接種を勧めるフレーズが添えられていますが、研究論文などからはそういった文句は消え始めています。


・ニューヨークでは、市の保健当局が、ワクチン接種を済ませた人か、すでに感染したことのある人にクラーケン株が感染しやすい、とADEを彷彿とさせる内容をツイッターで発表しました。新型コロナウイルス変異株のクラーケンはニューヨークで最初に確認され、現在そのシェアが73%を超えるようになっています。

・ファイザーのオミクロン対応ワクチン接種から3週間後に脳虚血を起こす65歳以上の人が有意に多いとして、米CDCとFDAが調査をはじめました。

・クラーケン株が属するXBB.1という変異株の系統にはワクチンを4回打ってもほとんど効果がなく、さらに4回目がオミクロン対応ワクチンの場合は中和効果がさらに下がるという研究結果がランセットに掲載されました。

・マウスを使った実験では、ブースターを打ち続けるとスパイクプロテインに対する抗体がむしろ減少し、B細胞とT細胞を活性化させる能力が弱体化。その結果防御免疫機能が逆に覆されてしまうことがわかり、弱体化は3回目の接種(つまり1回目のブースター)から顕著になるという査読済み研究が発表されました。


クラーケンは弱毒性ではない


ニューヨークで最初に確認され、同地で73%のシェアを持つようになっているクラーケン株も、他の変異株と同様に入院数と死亡数を増やしています。


・ニューヨークでの入院患者数は過去約1年間で最悪の水準に逆戻りしました。

・クラーケンが拡大して以来、アメリカでは死亡数が約47%増加し、特にバーモント州では1200%増加しました。


無期限延長


感染がすぎたと思ったあとに来る、認知障害や動作障害を伴うコロナウイルス長期障害に関するシビアな情報が、有名誌や現場の医師のツイートなどから流れてきています。数として無視できる規模では到底なくなったほか、どれくらい続くのかということに関する研究も始まりました。


・現在までに、世界で少なくとも6500万人がコロナウイルス長期障害を負い、その数は毎日増えているとネイチャー誌が報道しました。

・患者によってはコロナウイルス長期障害は無期限に続く可能性があり、自律神経障害と見分けがつかないような症状に発展することがあるということがわかりました。

・カナダでは、コロナウイルスに感染した人の2人に1人以上が長期障害を抱えていることがわかりました。症状の変遷はまるでジェットコースターで、回復と悪化を極端に繰り返すことが多いようです。

・ついに外来患者の9割がコロナウイルス長期障害者になった、とカナダの内科医がツイッターで情報を共有しました。


その他


・世界のビジネスリーダーや政治家などが年一回集うダボス会議では、ジャーナリストまで含めて入場にPCR検査が必須で、陽性の場合は参加IDが無効にされるほか、会場の至るところにコロナウイルスを除去できる空気清浄機が設置されており、ダボス会議参加者はコロナウイルスをただの風邪だとは全く思っていないことがわかりました。

・人間の末梢神経系の感覚ニューロンにはACE2受容体がないため、コロナウイルスは感染できないと思われていましたが、武漢株からオミクロンまでがこれらの細胞に感染できることがわかりました。しかしウイルスの複製は行われていないため、やはり脳神経系の異常はウイルスによる直接の感染によるものではなく、自己免疫疾患による炎症であることが再び支持される結果になりました。



以上、今週の世界のコロナウイルスニュースまとめでした。ソースは全て筆者のツイートにあります。日本の感染数は一旦減少傾向に入りましたが、クラーケン株もすでに侵入してきているため、継続してお気をつけください。



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