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コロナウイルス通信 2023年第17,18週 「FDAが初期mRNAワクチン認可を取消」

更新日:2023年5月10日

二週間ぶりになってしまいましたが、世界で起こったコロナウイルス関連ニュースをまとめていきたいと思います。先週はGoogleのシステム変更にAIを対応させるためにこのブログシリーズを書く時間がなかったため、今回は二週間分のニュースから抽出しました。



コロナウイルスワクチンはどこに行くのか



コロナウイルスワクチンに関連する人を不快にさせるようなニュースが今年に入ってから続いています。今回はアメリカの認可局で大きな動きがありました。


・アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)が、ファイザーとモデルナの開発したオリジナルのコロナウイルスワクチンの使用認可を取り消しました。オミクロンに対応して作られたワクチンの方のみが使用を継続されます。もともと、これは既に2回以上オリジナルワクチンを接種した人のためのブースターという位置づけだったはずですが、今回の認可取消以降は、未接種者もオミクロン対応ワクチンのみを打つことになります。[リンク


・アメリカのクリーブランドクリニックが、コロナウイルスワクチンに関する論文を発表しました。自院の職員を対象にしたこの研究では、変異株のXBB系統には、オミクロン対応ワクチンでも重症化防止効果(誤。正解:感染防止効果)が4%しかないことがまとめられています。さらに、研究者自身が論文の中で困惑していた内容では、ハザードモデルを使った分析でワクチンを重ねて接種すればするほどコロナウイルス感染によるリスクが高まるという結果になってしまいました。脆弱層ほど多くワクチンを打ったはずなので、もともと弱い人を対象にしており、それでもワクチンのお陰でリスクが低く保たれたのではないか、という反論はこの論文の中で既に想定されており、分析対象は概ね若く健康な従業員だったためこのケースに当たらないとしています。[リンク1][リンク2

(訂正:重症化防止効果ではなく、感染防止効果でした。この論文中で、Cox proportional hazards regressionで感染防止率を計算することはないと思い込んでいたために発生した間違いでした。お詫び申し上げます。(2023/05/10))



コロナウイルスは人間の免疫に何をしているのか



コロナウイルスと人間の免疫系、そして遺伝子に関するニュースがありました。


・1歳から18歳までの若年層でコロナウイルスに感染した人を分析した結果、オミクロン株が登場して以降、このウイルスに対する血清中の抗体を獲得した割合はそれ以前に比べて4分の1にしか満たなかったという研究が発表されました。オミクロン株は、それ以前の変異株に比べて免疫回避力が高いだけではなく、そもそも人間に抗体を獲得させないという戦略をとっているということが示されました。[リンク


・コロナウイルスの遺伝子から、ヒトの遺伝子産物2種類に酷似したパターンが発見されました。このウイルスは、人間の遺伝情報を収集し、自分自身の遺伝子に混ぜてヒトとのキメラになることで進化を加速させていると研究者は述べています。[リンク



その後



コロナウイルス感染から回復してしばらく経ったあとで生じる様々な症状。これで引き起こされる長期障害などについてのニュースもありました。


・香港中文大学が、コロナウイルスに感染したことのある1万人を対象にしたアジア最大の長期障害研究を行いました。これによると、長期障害者の約1割が生殖や月経に関する問題を起こしていることがわかりました。また、それまでに知られていた割合よりも遥かに多い、7割の感染者が少なくとも1種類の長期障害症状を経験していることが明らかになりました。[リンク


・コロナウイルス長期障害で18ヶ月間重い倦怠感に苦しんでいる患者に、AXA1125という新薬を治験したところ、比較的軽微な副作用で症状が改善されたという研究がありました。この新薬はミトコンドリアの代謝を活性化する働きをするということで、やはり長期障害の一因にミトコンドリアのエネルギー生産の停滞があるということが示されました。[リンク


・香港中文大学が長期障害率を70%と分析している一方で、WHOは10%と推計しています。しかし、この割合でも世界で数億人が長期間の医療支援を必要とすることになるだろうと発表しました。[リンク


・コロナウイルス感染で死亡した患者の脳を死後解剖した結果、前頭皮質で老化と同じ遺伝子発現パターンが見つかったという研究が発表されました。[リンク


・コロナウイルスに感染したことのあるイギリスのトップサッカー選手約500人を調査した結果、そのうちの約3%が心電図異常を起こしており、さらにそのうちの約9割で炎症所見が見られたという研究が発表されました。[リンク


・イギリスの現在の人口は7千万人未満ですが、コロナウイルスに有症状感染している人が常時100万人を超えるようになってしまいました。無症状感染も多いはずなので、常に見える範囲内に感染者がいるという状況になっています。[リンク



その他



上記以外の様々なコロナウイルス関連ニュースをまとめていきます。


・コロナウイルス患者の病室の空気サンプルを冷凍保存したあと、14ヶ月経ってから培養したところウイルスが再び複製を始めたということが確認されました。[リンク


・ニューヨークでは、規制が解除されたあとも大勢の人が実際には外食を控えて家庭で料理をするようになり、その結果、ナトリウムや過剰なカルシウムを抑えた健康的な食生活が始まって腎臓結石になりやすい患者に恩恵をもたらした結果になったという記事が出されました。[リンク


・コロナウイルスが最初に公式に確認された武漢の海鮮市場。ここから回収されたサンプルで、なぜかナマズやオオクチバスなどの魚類の遺伝子がコロナウイルスの遺伝子とよく見つかることが研究で示されました。また、コウモリに替わるウイルスの起源と仮定されていた狸はほとんど関係がないことがわかりました。[リンク


・コロナウイルスは、20℃程度の下水や河川の水の中で約2日間生存できることがわかりました。海水中でも丸1日以上生存できます。しかし、フィルターなどで浄化されると生存期間がさらに長くなることから、不純物に含まれる土着微生物がタンパク質分解酵素を分泌し、コロナウイルスを分解しているためだと推測されています。[リンク



日本はゴールデンウイーク真っ只中だと思いますが、皆さんお気をつけてお過ごしください。



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